ガスからオール電化への切替ガイド
費用・補助金・電気代の変化を解説
この記事でわかること
- ・ガスコンロからIH、ガス給湯からエコキュートへの切替費用
- ・給湯省エネ事業(10〜13万円)と自治体補助金
- ・オール電化後の電気代シミュレーション
- ・太陽光+蓄電池と組み合わせた最適プラン
オール電化切替の概要
オール電化への切替とは、ガスコンロをIHクッキングヒーターに、ガス給湯器をエコキュート(電気式ヒートポンプ給湯機)に交換し、家庭内のエネルギー源をすべて電気に統一することです。ガスの基本料金(月額約1,500〜2,500円)がなくなり、エネルギーコストを一本化することで管理もシンプルになります。
特にプロパンガスを使用している家庭では、都市ガスの1.5〜2倍のガス料金を支払っているケースが多く、オール電化への切替による光熱費削減のメリットが非常に大きくなります。太陽光発電や蓄電池と組み合わせることで、さらなるコスト削減が期待できます。
切替対象と費用の目安
ガスコンロ → IH
費用: 10〜25万円(機器代+工事費)。200V電源の引き込み工事が必要な場合は追加で2〜5万円。
ガス給湯器 → エコキュート
費用: 30〜60万円(機器代+工事費)。タンク容量は2〜3人なら300L、4人以上なら370〜460Lが目安。
ガスコンロからIHクッキングヒーターへ
IHクッキングヒーターは電磁誘導で鍋底を直接加熱する調理器具です。火を使わないため安全性が高く、キッチンの温度上昇も抑えられます。掃除もフラットなガラストップを拭くだけで簡単です。
| グレード | 機器代 | 工事費 | 合計 |
|---|---|---|---|
| スタンダード(2口IH+ラジエント) | 5〜10万円 | 3〜5万円 | 8〜15万円 |
| ミドル(3口IH・グリル付き) | 10〜15万円 | 3〜5万円 | 13〜20万円 |
| ハイグレード(オールメタル対応) | 15〜20万円 | 3〜5万円 | 18〜25万円 |
200V電源が未設置の場合は分電盤の工事(2〜5万円)が追加で必要です。マンションの場合は管理組合への確認も必要になります。ガスコンロの撤去・処分費用は工事費に含まれるのが一般的です。
ガス給湯器からエコキュートへ
エコキュートは大気中の熱をヒートポンプで汲み上げてお湯を沸かす高効率な給湯システムです。電気ヒーターと比べて約3分の1の電力でお湯を作れるため、ランニングコストが非常に低くなります。深夜の安い電力で沸かしてタンクに貯め、日中に使うのが基本的な運用です。
| タイプ | 容量 | 世帯人数 | 費用目安 |
|---|---|---|---|
| 給湯専用 | 300L | 1〜3人 | 25〜40万円 |
| フルオート | 370L | 3〜5人 | 35〜50万円 |
| フルオート(大容量) | 460L | 5人以上 | 40〜60万円 |
| 薄型フルオート | 370L | 3〜5人 | 40〜55万円 |
エコキュートの耐用年数は約10〜15年です。最新モデルはAI学習機能でお湯の使用パターンを学習し、無駄な沸き上げを防ぐ省エネ運転が可能です。太陽光発電との連携で日中の余剰電力を使ってお湯を沸かす「おひさまエコキュート」も各メーカーから発売されています。
合計費用と補助金
オール電化への切替費用の合計は50〜100万円が目安です。国の給湯省エネ事業と自治体の補助金を活用することで、実質負担を軽減できます。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| IHクッキングヒーター(工事込み) | 10〜25万円 |
| エコキュート(工事込み) | 30〜60万円 |
| 200V電源工事(必要な場合) | 2〜5万円 |
| ガス管撤去・閉栓 | 0〜3万円 |
| 合計 | 50〜100万円 |
| 給湯省エネ事業(エコキュート) | -10〜-13万円 |
| 自治体補助金(地域による) | -3〜-20万円 |
| 実質負担 | 約30〜80万円 |
給湯省エネ事業(2026年度)
高効率給湯器の導入を支援する国の補助金制度です。エコキュートの場合、基本額10万円に加え、性能に応じて最大13万円の補助が受けられます。A区分(おひさまエコキュート等)は13万円、B区分(高効率エコキュート)は11万円、C区分(一般エコキュート)は10万円の補助額です。申請は施工業者が代行するケースが多いです。
電気代の変化
オール電化にするとガス代がゼロになる代わりに電気代が増加します。しかしトータルの光熱費は削減されるケースがほとんどです。
| 項目 | ガス併用(切替前) | オール電化(切替後) |
|---|---|---|
| 電気代 | 月8,000〜12,000円 | 月11,000〜17,000円 |
| ガス代 | 月5,000〜10,000円 | 0円 |
| 光熱費合計 | 月13,000〜22,000円 | 月11,000〜17,000円 |
| 月間削減額 | - | 2,000〜5,000円 |
| 年間削減額 | - | 24,000〜60,000円 |
上記は4人家族・都市ガス利用の標準的な試算です。プロパンガスエリアの場合はガス代が月8,000〜15,000円と高額なため、切替後の削減額は月5,000〜10,000円とさらに大きくなります。電力会社のオール電化向けプラン(深夜電力割引)への変更もあわせて検討してください。
太陽光+蓄電池との組み合わせ
オール電化住宅は太陽光発電と蓄電池との相性が抜群です。すべてのエネルギーが電気なので、自家発電した電力をそのまま給湯・調理・冷暖房に使えます。
日中: 太陽光でエコキュートを稼働
おひさまエコキュートを使えば、太陽光発電の余剰電力で日中にお湯を沸かせます。深夜電力を使う必要がなくなり、電気代がさらに削減されます。
夕方〜夜間: 蓄電池の電力を活用
日中に蓄電池に貯めた太陽光の電力を夕方以降のIH調理・照明・エアコンに使用。電力会社からの買電を最小限に抑えられます。
トータル削減効果
オール電化+太陽光(5kW)+蓄電池(10kWh)の組み合わせで、年間の光熱費を従来の70〜80%削減できるケースもあります。売電収入を含めると年間10〜15万円以上のプラスになる家庭もあります。
オール電化に向かない家・向く家
特にメリットが大きい家庭
- プロパンガスエリア(ガス代が高い)
- 太陽光発電を設置済みまたは検討中
- 小さい子どもや高齢者がいる(安全性重視)
- ガス給湯器の買い替え時期が近い
- 光熱費を一本化してシンプルに管理したい
慎重に検討すべき家庭
- 料理に強いこだわりがある(中華鍋で高火力調理等)
- 設置スペースが極端に狭い
- 都市ガスで既にガス代が安い地域
- ガス温水式床暖房を使用中(撤去コスト大)
- 停電リスクが高い地域(蓄電池なし)
よくある質問
Qオール電化にすると停電時に何も使えなくなりませんか?
確かにオール電化住宅は停電時にすべての設備が使えなくなるリスクがあります。しかし蓄電池を併用すれば停電時にも電力を確保できます。またエコキュートのタンクには常時300〜460Lのお湯が貯められており、停電時でも非常用取水口からお湯(水)を取り出せるため、生活用水としても活用できます。
QIHクッキングヒーターではどんな鍋が使えますか?
IHクッキングヒーターでは磁性体(鉄・ステンレス)の鍋が使用できます。アルミ・銅・土鍋・耐熱ガラスは通常のIHでは使えませんが、オールメタル対応のIHなら多くの金属鍋が使えます。現在お使いの鍋にマグネットがくっつけばIH対応です。買い替えが必要な場合は、IH対応の鍋セット(5,000〜15,000円)で揃えられます。
Qエコキュートの設置スペースはどのくらい必要ですか?
エコキュートはヒートポンプユニットと貯湯タンクの2つで構成されます。貯湯タンクは幅60〜70cm、奥行き75〜80cm、高さ180〜220cm程度で、ヒートポンプユニットは室外機と同程度のサイズです。設置には両方合わせて約1畳分のスペースが必要です。薄型タイプもあり、狭小住宅でも設置できるモデルが増えています。
Qガス解約の手続きは自分でやる必要がありますか?
ガスの解約手続きは施主自身でガス会社に連絡する必要があります。プロパンガスの場合はボンベの撤去と配管の閉栓工事が必要で、契約内容によっては違約金が発生する場合もあります。都市ガスの場合は閉栓の立ち会いが必要です。工事会社がガス管の撤去を行ってくれるケースもあるため、見積もり時に確認しましょう。
Qオール電化にすると火災保険は安くなりますか?
オール電化住宅は火を使わないため、一部の保険会社でオール電化割引(約5〜10%割引)が適用されます。ただし全ての保険会社が割引を設けているわけではないため、保険の更新時に確認してください。また、IHはガスコンロと比べて火災リスクが低いため、安全面でのメリットも大きいです。